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あんこうの分類など

アンコウ(鮟鱇、英名 Monkfish, Goosefish、Anglerfish)は、アンコウ目 アンコウ科に属する魚の総称。また、そのうち、主に食用にするアンコウ類のことを指す。 フランス語ではボードルア (baudroie)。

アンコウ科には 25 種ほどが含まれ、すべてが海水魚で、主に深海魚である。北極海、太平洋、インド洋、大西洋、地中海に生息する。頭部が著しく大きく、幅が広い。
肉食性で、口が大きく、歯が発達している。海底に潜んで他の魚を襲うのに適するため、口はやや上を向いている。口の上には棒状の突起がついており、これを動かして獲物をおびき寄せる。

キアンコウ(ホンアンコウ) Lophius litulon
尾びれの根元までの体長 1.5 m。太平洋北西部(日本、朝鮮半島、東シナ海)の水深 500 m 程までの深海に生息。

アンコウ(クツアンコウ) Lophiomus setigerus
全長 40 cm。インド洋、太平洋の全域の水深 500 m 程までの深海に生息。
ヨーロッパで主に食べられるアンコウはアングラー、北アメリカで食べられるアンコウは、アメリカンアングラーと呼ばれ、いずれもキアンコウと同じキアンコウ属 ( Lophius ) に含まれる種である。

アングラー(ニシアンコウ) Lophius piscatorius
体長 2 m、体重 60 kg 近くになる。大西洋東岸(バレンツ海西南部からジブラルタル海峡まで)、地中海、黒海の水深 1000 m までの深海に分布。
アメリカンアングラー(アメリカアンコウ) Lophius americanus
全長 1.2 m、体重 20 kg。大西洋西岸(カナダ、ケベック州から米国フロリダ州まで)の水深 100 m までの海底に分布。

アンコウの生態
食用とされるキアンコウと、チョウチンアンコウとは異なる。頭には2本のアンテナ状の突起があり、長い方には皮がついている。アンコウは泳ぎが下手なため、泳ぎの上手な魚を追い回しても逃げられてしまう。そこで、海底の砂に潜り、その突起の皮を水面で揺らし、これをエサだと思って寄ってきた魚を、丸呑みにして捕食する。突起の皮は擬餌針のような働きをする。

アンコウは主に小魚やプランクトンを捕食するが、種によっては小さなサメ、スルメイカ、カレイ、蟹、ウニ、貝、上述の海鳥などを捕食するものもある。 大きさもさまざまだが、基本的にオスは小さくメスの方が大きい。体長は大きなもので2m近く、重さも60kg近い種(ニシアンコウ)もある。「アンコウのオスはメスに寄生する」という話があるが、その習性を持つ種はチョウチンアンコウ亜目の一部であり、キアンコウなどアンコウ科に属する種ではそういうことはない

捕獲量
山口県では主に下関漁港を基地とする沖合底曳網漁船が漁獲します。日本海の対馬海峡から本県の見島沖合を漁場とし、平成17年の漁獲量は897トンで全国1位となっています。

(単位:トン)
平成14年
平成15年
平成16年
平成17年
下関漁港
427
565
727
897
島根県浜田
180
282
284
258
福島県相馬原釜
294
201
190
142
茨城県平潟
66
56
46
42
山口県以東機船沖合底曳網漁業協同組合資料

アンコウの旬

日本では、アンコウ漁は産卵を終えた7月から8月が禁漁となっている。基本的に春先は産卵の時期になると肝が小さくなり、商品価値も薄れる。肝が肥大化する1月から2月が一番美味しい時期とされる。

食用にするアンコウ

日本では、キアンコウ(ホンアンコウ)とアンコウ(クツアンコウ)が主な食用の種である。この種は別の属に分類されているが、外見は良く似ている。体は暗褐色から黒色で、やわらかく平たい。頭が大きい。砂泥状の海底に生息し、手足のように変形したヒレで海底を移動する。
体全体が柔軟性に富み、粘りがあるため、普通の魚と異なり「つるし切り」という独特の方法で捌かれる。つるし切りは、下あごにフック(鉤)をかけて体をつるし、アンコウの口から水を流し込んで胃を膨らませ、柔らかい胴体に張りがでたところを解体する方法である(但しそうしないと捌けないということはない)。



■アンコウの選び方
アンコウは、全体の80%が水分と言われるほど水気の多い魚。身が柔らかく、処理して時間が経つほど身が流れてしまうので、より新鮮なものを手に入れてください。アンコウには、キアンコウ(本アンコウ)とイシアンコウと呼ばれる種類があります。味に開きがあるのでキアンコウを選びましょう。


あんこうの七つ道具
柳肉(身肉、頬肉)の他に、皮、水袋(胃)、キモ(肝臓)、ヌノ(卵巣)、えら、トモ(ヒレ)が食用にされ、一般に「七つ道具」と呼ばれ、鍋の中に入っている。 一般には七つ道具と野菜を味噌または醤油味で調味しあんこう鍋として供される。特に肝臓はアンキモと呼ばれ、ポン酢にもみじおろしで食べるが、美味として珍重され、見た目と食感から「海のフォアグラ」とも云われている。肉よりもその他の部位(七つ道具)の方が旨いとされる変わった魚でもある。

トモ(ヒレ)
あんこうの両腕にあたる部分。ここの付け根が食感が良く美味しい。
カワ(皮)
コラーゲンたっぷりで味もあり、代表される部位。とも酢が代表的な一品料理。
えら
普通の魚においてはエラは食べないが、アンコウでは鍋に入っている。
キモ(肝)
別名アンキモ。アンコウを美味しくしてくれる代表的な部位であり、「海のフォアグラ」とも呼ばれている。
水袋(胃袋)
胃袋には特徴があり、入り口に歯のようなものが上に2か所、下に2か所ある。この歯のようなもので噛み砕くわけではないが、丸呑みにした魚が逃げられないように「返し」になっている。
ヌノ(卵巣)
平板状のためにそう呼ばれる。
台身
アンコウの身の部分。白身で淡白。

他にもホホ肉(柳肉)やトモ(尾の部分)、背骨の周りも出汁になり、基本的にあんこうは顔(歯や目)そして骨以外のすべての部位が食べられるとされる。柳肉やトモを七つ道具と呼ぶ地域もある。ただし、ホホ肉・トモは部位といえども台身と同じ肉の部分であり、本場ではエラを入れて七つ道具と呼ばれている。
またオスは食用になるほど大きく成長しないため、食用になるのはメスである。まれにメスの胃袋の中からオスのアンコウが出てくることもある。これは産卵の時期、オスはメスに食べられるからである。カマキリと同じような習性を持っていると知られている。

アンコウの栄養素
基本的に水分(全体の約80%)。白身の部分は脂質が少なくヘルシーである。アンコウの身にはビタミンB12やB1、ナイアシン等のビタミンBが含まれ、皮膚や粘膜の健康維持、そして貧血予防に良いとされている。
対してあん肝は脂質が多く高カロリーで、ビタミンA(レチノール)やビタミンB12、ビタミンDが豊富に含まれている。肌の健康を維持したり、老化防止、視覚の暗順応に良いとされている。

あん肝

高価な食材である。濃厚でチーズ(または鮭のハラミ)のような甘みとクセを持つ。あんこう鍋が美味しいのはあん肝を入れているためである。

























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